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イキイキ長生き!認知症の予防と対応

イキイキ長生き!認知症の予防と対応(漢方の知恵袋)
日本は世界でもトップクラスの長寿国。せっかくですから、なるべく病気をせず、自分の力で元気に長生きしたいものですね。そこで今回は、いつまでもイキイキとした毎日を送れるよう、気になる認知症の予防と対策についてご紹介します。

(監修:菅沼 栄先生 中医学講師)

補腎と活血で、認知症を予防

年々進む高齢化社会の中で、介護の制度や施設は徐々に充実してきました。とはいえ、老後もできるだけ自分の力で生活を維持できることが理想です。特に、「認知症」は本人にとっても家族にとっても大きな負担になり、だれもが避けたいと思うのではないでしょうか。
認知症という病名は中医学(中国漢方)にはないものですが、「健忘証」「鬱証」「不眠証」「呆証(判断力・思考力の低下)」など、認知障害として考え、予防・対応することができます。 認知症の女性
このような原因は、大きく分けて4つ。まず、血の流れが滞る「瘀血」の状態になると、脳への血流をさまたげることから、痴呆の症状につながります。また、腎は脳の働きと深い関わりがあるため、腎の精が不足する「腎虚」の状態になると、脳の機能低下に。そのほか、脾胃が弱く全身の気血が不足する「脾気虚」、ストレスなどが原因で気が滞る「肝鬱」の状態も、認知症の原因となります。
西洋医学では大きく「脳血管性認知症(脳血流量の低下)」と「アルツハイマー型認知症(脳の委縮)」に分けられますが、「瘀血」や「腎虚」といった原因から考えても、それぞれ活血(血行改善)、補腎の方法で予防・対応することが可能です。
少しずつ身体の機能が衰え始める中高年以降は、特に腎や肝、脾といった臓器を養うことを心がけ、認知症の予防につなげましょう。

認知症の予防法をタイプ別にチェック!

中医学の考えでは、認知症は4つのタイプに分けられます。それぞれ症状には特徴があり、効果的な予防法も異なります。自分があてはまるタイプを考えて、日頃の生活から認知症の予防を心がけましょう。

※画像をクリックすると拡大表示されます。
中医学の認知症タイプ別予防法


血液ドロドロ「瘀血」タイプ(西洋医学の「脳血管性認知症」にあたるタイプ)

高血圧や動脈硬化などが気になる人は要注意
年齢を重ねると血液に粘りが出るため、血の流れが滞り瘀血を生じやすくなります。瘀血は脳への血流をさまたげ、それが健忘や痴呆といった症状を引き起こす原因となります。
このタイプの主な症状は、物忘れや頭痛、疼痛、手足のしびれ、顔色の黒ずみなど。高血圧、動脈硬化、狭心症、高脂血症、脳血管障害といった症状が見られる人のほか、手術歴や大きな外傷歴がある人などは、このタイプの認知症に注意が必要です。
血液をサラサラにして流れを良くする「活血」「化瘀」、脳を健やかにする「健脳」などを中心に、予防・対応していきましょう。

主な症状:物忘れ、舌質が暗い、頭痛、顔色の黒ずみ、手足のしびれ

老化が進む「腎虚」タイプ(西洋医学の「アルツハイマー型認知症」にあたるタイプ)

さまざまな老化現象は腎虚が原因に
「老化の進み方の差は、腎虚の進み方の差」と中医学では考えられています。それは、腎は生命を維持するエネルギー源「精」の貯蔵庫となっているからです。
腎の機能が低下すると、骨や歯がもろくなる、排尿がうまくいかない、といったさまざまな老化現象が現れます。認知症もその一つ。「腎は精を蔵し、精は髄を生み、髄が脳を維持している」と考えられているため、腎虚により精が不足すると脳髄も空虚になり、記憶に障害が現れるのです。
このように、認知症に限らず老化現象を予防するためには、腎を養う「補腎」、精を増やす「益精」が大切。老化をなるべく穏やかにして元気な身体で老後を過ごすよう、日頃からの対応を心がけてください。

主な症状:健忘、腰痛、めまい、聴力の減退、脱毛、歯が弱い、夜間の頻尿

エネルギー不足の「脾気虚」タイプ

食欲や体力が落ちたなと感じたら気を付けて
脾胃は「気血」を生む源。脾気が身体に栄養を運び、その栄養から血が生まれます。そのため、脾胃が弱くなると全身の気血が不足し、五臓六腑はもちろん、脳の機能も低下してしまうのです。
胃が弱い人、慢性疾患や老化などで体力が落ちている人などは、このタイプの認知症に注意が必要です。脾を強くする「健脾」、気や血を養う「益気」「補血」、脳を健やかにする「健脳」をポイントに日頃の養生を心がけましょう。

主な症状:食欲不振、息切れ、疲労、不眠、健忘、風邪をひきやすい

ストレスが多い「肝鬱」タイプ

イライラやストレスは認知症の悪化に
肝は新陳代謝をコントロールする大切な臓器。この機能がうまく働いていると、全身にきれいな清気(酸素)がいきわたり脳の働きも活発になります。
肝鬱タイプの認知症は、ストレスで肝の機能が減退し、気の流れが滞ることが原因に。また、気滞の状態が長く続くと「瘀血」につながることもあります。老化への不安がストレスになるケースも多く見られますが、老化はだれにでも訪れるもの。あまり神経質にならず、上手に付き合っていきましょう。

主な症状:情緒の不安定、憂鬱、イライラ、胸脇張満、不眠、悪夢、集中力の低下

老後は「本物の人生」。毎日を楽しく健やかに

認知症をはじめとするさまざまな老化現象は、年齢を重ねることでどんな人にも現れるもの。もちろん老化を止めることはできませんが、健康を保つ工夫をしたり、余裕ができた時間を楽しく過ごしたりと、自分次第で老いと上手に付き合うことはできるものです。
認知症を予防するためにも、毎日をイキイキと前向きに暮らすことはとても大切なこと。例えば、趣味や会話の時間を増やす、1日1回は笑う、といった良い刺激を与えることは認知症の予防につながります。花や緑を楽しんだり、温泉でゆっくりしたり、そんな自然との触れ合いもいいですね。
また、左右の手を交互に使って歯みがきをしたり、両手で肩をもんだりすると、脳を鍛えることがきます。食事はうす味、加熱を心がけて、ゆっくりと気持ちよく食べましょう。
老化への焦燥感、不安感などでストレスを溜めることは禁物。江戸時代には、仕事をする必要がなく、自分の好きなことを存分に楽しめる老後こそ「本物の人生」と考えられていたそうです。より長生きになったわたしたちも、そんな風に楽しく元気な老後を過ごしたいものですね。


水やりをする女性




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